2014年3月18日火曜日

ラフレシアが自生する熱帯雨林へ


日本を出てバンコクでのトランジットから南へ。
そこから車で120kmくらいで飛ばしどんどんと進むにつれ
小さなローカルタウンをいくつも通り越して行く。
3時間半くらい走った緑が生茂るこの町に辿り着いた。
町から少し離れたこの山へ
ラフレシアを探しに。

今回1日かけトレッキングしたのは左の小さい方の山。
右の大きい山は2日かけないと登れきれず
岩肌が見えていてクライミングができないと難しそうな山でした。
この景色を見ているときは気がつかなかったのですが
よく見ると手前に大きなアリ塚のような巣がありました。
期待を胸にいくつものパームオイルファームと
ラバーツリーファームを抜けデコボコ道を進んで行く。
かわいらしい家がぽつぽつと現れ14世帯の家族がこの周辺に
ファームで生計を立て暮らしているのだとか。
すれ違う家族はとても良い笑顔で
素敵なライフスタイルがここにはあった。

車を止めたのが道の行き止りの所。
ここからトレッキングが始まりました。
目の前には小さな川が流れ
川伝いに青いパイプが上までずっと続く。
それはこの町のガーデンにつづくパイプなのである。
ちょうど乾季で川の水が流れていなかったが
上流からの山の水分がパイプを渡って
暮らしに水を与えてくれている。
歩き始めるとすぐにBanyan tree が
お出迎えしてくれた。
どんどん進んで行くごとに道などなくなっていく。
最初から道ではなく確か川を登ってきた。
 今思うと川ではなく小さな滝を登ってきたのか。
帰りのことを考えると怖いくらい傾斜があり心配になったけど
そんなこと考えると石を踏み外し大変なことになりそうなので
まっしぐらに歩き進めた。
どんどん上に進むと巨大なサンポーンがたくさん現れた。
somphong.
Koompassiaに属するのかあまりにも高い木で葉の形状がわからなかったが
phong とは根を意味することを教えてもらいました。
もう一つとても似ている根が太い木は家具材に使われる木らしい。
叩く音が軽い音と硬い音でまったく違うが
見た目の区別が難しい。
 somphong.
 epiphyte.
町へと繋がる水の恵みのパイプ。
この頃カメラワークもへとへとに、
体にガツガツと当たるのでバックパックにしまおうと
したけど「大丈夫だよ」ってことでシャッターをきり続けた。
Rainforest といっても乾季だったので
カラっとしていて以前Australiaで感じたことのある
熱帯雨林とはまた別で
歩くたび落ち葉の粉が舞い上がっていた。
雨季だったらどんなことになっていただろうか。
森の音が響きわたる。
途中休憩を入れると遠くに何かあるのわかるかい?って。
ん~まったく遠すぎてわからなかったから
望遠に付け替えてキャッチしてもらったら
こんなfruitが生っていました。
すごく高く遠かったんだけどこれは手長ザルのGibbonの
ごちそうにまちがいない。
tasteはthai pomeloに似ているらしい。
 道なき道を歩いてゆくと
native palmがあちこちに生息していた。
Arenga palm.
森の香りはとてもいい匂い。
ここだけ何故か太陽の光が入りやすくバンブーが自生していた。
写真のヤシは何故かここに1本バンブーと同じ色して生きている。
Phoenix の仲間だろうか。
鳥が種を運んだか?
歩き始めてから結構上に登ってきたところで
とうとうラフレシの蕾に出会うことができた。
この時の気持ちはなかなかそう簡単に感じることはないでしょう。

Raffresia kerrii Meijer
タイ語ではBua Phut(ブアプット)といいます。

Tetrastigma (ミツバカズラ属、ブドウ科)の根に寄生していました。
根、葉、茎はなくホストの幹から物理的な栄養を得て
蕾を成長させているようです。
よく見ると蕾の付け根、包葉がカップみたいになっています。
この蕾で直径約20cmくらいで咲くまでにあと3ヶ月かかるらしい。
来る前に調べたら12月から3月が花のシーズンとあったけれど
実際にここでは違うということがわかりました。
周りの下の方の世界はこんな感じです。
この周辺にはポコポコと生えていたけれど
はじめは落ち葉で隠れていてわかりませんでした。
けれどTetrastigmaのvineがわかるなら
そこにはラフレシアがあるかもしれないということ。
受粉し寄生してから花を咲かすまでに9ヶ月。
そして花は5~6日間しか咲かない。
20cmサイズから6cmくらいの蕾をいくつか見つけることができました。

不思議な生態をしている植物です。

森の温度がとても気持ちよい。
聞こえるのは鳥とGibbonと私達の足音だけ。

ここからさらに上へと登りつづけて様々な植物に出会っていきます。


つづく。