2014年3月30日日曜日

再び歩きはじめます。


こちら
のつづきです。
あれからさらに上へと川を渡り川沿いを歩いくと
何度かザワザワっと動物が茂みに隠れていく音を耳にした。
寸前までそこで水浴びをしていたと思われる大きな生き物の後影。
私たちはけものの道を歩いている。
 けっこう歩いてきたところでランチをとることにした。
目の前の川は水が少し流れていてヤマネコの巣があった。

枯葉を集め木の枝に火が回り始めると
木の葉のフレグランスが歩いてきた疲れを癒してくれた。
火が弱まりいい感じになってきたら
バナナの葉で蒸したチキンを煙で燻す。
バナナの葉の上にライスとチキンとフルーツを盛り付けて
ジャングルスタイルのランチをいただきました。

バックミュージックは動物の鳴き声と風の音。
「ヒホーン」「ヒホーン」と鳴くGibbonという手長ザル
(ชะนี タイ語:チュンニー)の声が森中に響き渡る。
もっと奥深くには人前には現れないがタイガーやヒョウも
生息しているらしい。
風に当たって休んだところで再びラフレシアを探しに。
上に登れば登るほど大きくなっていく木々。
Somphong
幅が3m近くあった。樹齢は400年以上。
とにかくどの木も背が高くて人間が小さく見えた。
目に入ってくるのは様々な植物。
ラタンパームやスパイニーなパームが沢山あり
トレビシアも自生していました。

茂みを掻き分けて歩いていく。
すでに腕と顔には切り傷ができていた。(笑)
Calamus palm (rattan palm)  葉の茎の部分は
タイでは室内の天井や装飾に使われていました。
多くのリクアラにも会いました。
ヤシの種類ではリクアラは前から好きな種類です。
たぶん3種くらい生息していました。

Licuala delicata
Licuala kunstleri
Licuala palidosa
リクアラの実を食べてみるとライチを渋くしたような味がしたけど
まぁまぁ食べれる。

それからまだ開ききっていないリクアラの葉で
Buddhaへのお供え物の作り方を教えてもらいました。
広げて三角に折った葉の中にはライスやチキンを入れ
人が亡くなってしまった時に神へのお供え物として捧げられる。
森の中にはスピリチュェルなことがたくさんつまっていて
昔からずっと続けられてきた習わしが今も大切に伝わっている。
歩いては気になる植物が沢山あるし
それと同時にいい香りがしたりちょっと変な匂いがすると
ラフレシアがあるのかと探し回る。

そこに落ちていたフタバガキの種。
羽が2枚付いていて空からクルクルと回って落ちてくる。
Dipterocarpus alatus
そして再びラフレシアの蕾を発見することができました。
奥にあって大きかったけど咲くサイズに至らなかった。
ラフレシアの自生地は
2月の終わりカラッとしていて朝は涼しく
山の上には涼しい風が吹いていた。
名も知らぬ植物。

途中、歩いていると昔ここで錫の採鉱をしていた跡が残っていた。
ダイナマイトを使い深く土を掘り溝が長く連なっていた。
現在は行われていないがそれはとてもハードで過酷な作業だったので
ないかと思わせる地形が物語っていた。
Tinnerと呼ばれていた人たちがcampしていた跡がその場所だけにあった。
Tin mineral (錫の鉱石)
軽石のような柔らかい岩を砕くと
キラキラした小さな石がたくさん入っている。
一体ここからどうやってアルミができていくのであろうか。
結構上に登ってきたことに気が付いた景色。
 このトレッキングで見てきた木の中で
一番大きかったBanyan tree。
Huge tree and my friend.
Ficus stragler Figs.
バニヤンは中の木を力強く喰っていた。
小さいうちからその姿があり共に成長はじめ
何百年経ったときに中の木が外の木の強さに負け
失われていく。
私と友人をこの山を案内してくれたローカルのNop。
ここの山を知っているガイドは数少なく
貴重な体験となりました。

ラフレシアをこの目で見たくて森の中へと
期待を込め歩き始めたトレッキングでしたが
そうも簡単には美しく臭い姿を見せてはくれませんでした。
でもその代わりに
森の中には小さな植物から歴史を感じる植物まで
ここの暮らしの人たちに昔からの大きな知恵を与えてくれ
なくてはならないものだと強く感じました。
植物の持っているパワーに改めて感動。

そこからは来た道とは違う別のルートで
急斜面を降り無事に下界まで降りて来られました。
 帰る途中Nopのお友達の仕事場へお邪魔しました。
ここはBetel nut palmの作業場。
1週間実を乾かしてから道具で上手く皮を剥く。
その剥いた皮は庭の植物たちの栄養となっていていました。
Areca catechu
2月終わりのマンゴーはとても酸っぱかった。
この町を出るとき長距離バスから目に映る景色には
ぽつんぽつんとある家の庭先に
こんなにも植物が豊かに生い茂っているのに
鉢植えの植物がどの家にもかわいらしくテラコッタに入って
並んでていた。

植物のことがまた好きになってしまう旅でした。